2人が本棚に入れています
本棚に追加
「はぁ」
半ば呆れながらその場を離れようとする竜次。
「お待ちください、竜次さん。今私が参った理由をお聞きにならないのですか?」
「いや、知らんでもえぇわ」
少しぶっきらぼうに答える竜次を他所に、少女は言う。
「竜次さんは紅突さんて方、知ってますか?」
「アカツキ…やと?」
「どうやらお知り合いのようですね」
「知ってるも何も…」
急に紅突という言葉が出てきたので、驚きを隠せない竜次は同時に疑問も浮かんだ。
「なんで神様?が、紅突のこと知っとるん?」
「あら、呼び捨てにしあう仲なのですね。有矢(ありや)が聞いたら、さぞかし嫉妬するでしょうね」
「あ、りや?誰や、そいつは?」
自称神様と名乗る少女は、こんなことも知らないの?と頬に字が浮かび上がりそうなくらい、不思議そうな顔をした。
「誰って…聞いておりませんでしたか?
紅突さんのお兄さんですよ?」
竜次は本日3回、命に関わりそうな程、驚かされた。
最初のコメントを投稿しよう!