口フェチ

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こうやって、不快感を感じることはよくあった。というか、中学から男子校に入ってから、特に仲良くなったやつには絶対に感じることだった。 いっそ俺と同じ思考回路なら、趣味やら話題やらで困らないのに。めんどくさくなくていい。 そう思うたび、結局俺は寂しいのが嫌なんだな。我ながら女々しく感じる。 姉貴にも両親にも、小さい頃からかまってもらえたから……もしかして俺、かまってちゃん!?とそこまで考えに至ったら、何だか恐ろしくなった。 「…なあ、聞いてる?てか聞いてねえだろ」 新谷の声が耳に響いた。日が暮れかけた住宅街は静かで、よけいに澄んで聞こえる。 .
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