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「いいよ」
彼はそう言った。
それは、私にとってかなり予想外の言葉で……。
私は今、その後の対処にかなり困っていた。
金髪に近い茶色の髪はサラサラで、細身で長身。
色は白く華奢に見えるが、肩幅は広い。
黒ではないコゲ茶の大きな瞳が今、私を見つめている。
「はっ?」
私はそれに対してこんなマヌケな声を上げた。
「だから、いいよって言ったの。聞こえた?」
彼はふざけているのか?
それとも私をからかっているのか?
私は呆然とそこに立ち尽くしていた。
彼の真っ直ぐな視線が、私を貫く。
「聞こえた、かな?」
首を傾げ、髪をかき上げる。
「は……い」
硬直したままの体は立っているのがやっとで……。
それを可笑しそうに見ている彼は、スッと右手を伸ばし私のほっぺたに触れた。
「固まり過ぎ」
そう言った彼の顔は、今まで見た中で一番素敵な笑顔だった。
と、ここまで書いたところで、私はペンを止めた。
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