出逢い

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 私は無事、1年2組の教室まで運ばれた。  ご丁寧に教室の扉の中まで入れてくれた。 「はい、到着」  そう言ってから、彼は初めて私の手を離した。  右手が急に淋しくなった気がした。  温もりを逃したくなくて、私は右手をそのままグウに握った。 「ありがとうございました」  私の声は、相変わらず小さい。 「どういたしまして」  その顔をまともに見たら、赤面してしまいそうで……。  否、もう赤面はしちゃってるんだけど。  とにかく私は、やや俯いたまま頭を下げた。  その頭を 「もう迷っちゃダメだよ」 と言って、軽くぽんぽんと叩く。  恥ずかしくて顔が上げられない。 「じゃ、またどっかで」  彼はそう言うと、最後に優しく私の頭を撫でて去って行った。
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