EP1・マジックキャンセラー

5/24
前へ
/248ページ
次へ
「どうかした?」  俺に声に女の子は振り返る。  そしてビックリ!  その子は俺と同じクラスで尚且つ学校一可愛いと評判の橋本優里(ハシモト ユウリ)であった。  まさに容姿端麗。パッチリ二重の瞳の色は髪と同じ栗色。  出るとこは出て、引っ込むところは引っ込んでる、世の中の可愛いと言う言葉を体現した人物である。  もっとも、あまり女性と話したことがない俺にとっては雲の上の存在だ。 「あ、えっと……コンタクト外れちゃって……って誰ですか?」  橋本さんは少し警戒したように一歩足を後ろに引く。  てか、同じクラスなのに俺のこと知らないって……かなりへこむ。  あ、でもコンタクト落としたってことは見えてなだけか? 「同じクラスの神谷だよ」 「あっ、え? 神谷湊くん? ご、ごめんなさい」  慌てて頭を下げる橋本さん。  それにしてもフルネームで覚えてくれているとは嬉しい限りですね。 「いいよ。それより俺も手伝うから車が来る前に探しちゃおう」  俺はそう言いながら前屈みに地面の捜索を開始する。 「え、でも悪いよ……」 「いいよ、俺も暇だし気にすんなって」 「あ、ありがと」  そうして二人でコンタクトを探す作業が始まった。
/248ページ

最初のコメントを投稿しよう!

732人が本棚に入れています
本棚に追加