EP1・マジックキャンセラー

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 響くクラクション。  アスファルトを擦るタイヤのブレーキ音。  俺は神経を走ることに集中させた。  ようやく自分のおかれた状況を理解して硬直している橋本さん。  絶対何がなんでも助ける!  これ以上、俺は誰かがいなくなるのを……  ガンッッッ!!  鈍い金属音……  通行人の悲鳴……  俺は……  橋本さんをギリギリのところで助けることができた。  まさに間一髪……紙一重……  そんな単語が適切だろう。  車に撥ね飛ばされたのは橋本さんのカバン。  真新しいカバンは無惨にも中身を盛大にぶちまけ、車道のあちこちに飛散していた。  でもよかった……彼女を救うことができた…… 「か、かみ……や……くん?」 「ハァ……ハァ……無事で……よかった」  彼女の無事を確認して、俺はそこでようやく自分たちのどんな体勢であるかを理解した。
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