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「・・・・・・歌声・・・かな?」
気になって耳を澄ませてみると、どうやら歌声なのは確かだった。
綺麗な声だな~・・・
感心していると、不意に目の前の教室の扉が開いた。
振り向くと、そこには早く終わったのか一足先に教師が出てきた。
湊と教師の視線がぶつかった。
その瞬間、教師のこめかみの部分に危ないくらいの血管、
それでいて口元は笑顔。
・・・正直怖い
「チャイム鳴るまで教室で自由にしていいぞ~。」
教師はそう言い残して、教師は扉を閉めた。
「さて・・・」
溜息を吐きながら、目の前の教師は口火を切った。
「入学式早々、いい度胸だな?・・・貴様、クラスと名前を言え!!」
教師は怒りながら、しかし廊下に響き渡らないように説教を始める。
まずい、色んな意味でまずい・・・
どうにかしてこの場を切り抜けるために、湊は必死に思考を巡らせる。
「・・・え~っと・・・・・・ですね」
諦めて正直話そうとした湊が教師に話を切り出した瞬間、
カーーーーーン!!!
と、離れたところから音が響いた。
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