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二人してそちらに視線を向けると、そこにはバケツが転がっていた。
・・・何でバケツが?
その瞬間、湊の中で何かが弾けた。
・・・なるほど、そういうことか
湊はバケツが転がったのと逆方向に向かって踵を返した。
そして捕まる前に、全速力で駆け出した。
それに気付くのが遅れた教師は、振り返った時には湊の姿を逃していた。
「貴様の顔は覚えたからな~!!」
教師の怒鳴り声が廊下を、いや学園中にこだました。
―――――
「はぁはぁ、はぁはぁ・・・」
オレとした事が、こんな最初から悪目立ちしてしまった。
「すぅ~・・・はぁ~。」
深呼吸して落ち着くと、改めて自分のしでかした重大さに気が付いた。
「もしかしてオレ・・・ものすごっい不良生徒に認定されたのか?」
自分に問い掛けてみるが、返ってくる答えは全て悪いものだった。
「・・・・・・まあ、いいか。」
オレは自分自身にそう言い聞かせて納得することにした。
・・・そうしないと、この先やっていけないからな
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