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「私と付き合ってください!」
入学式を終え、新入生歓迎会も滞りなく進んで数時間・・・
玖流湊は目の前で女生徒に告白された。
「・・・えっと・・・」
答えに逡巡していると女生徒が一歩、湊との距離を詰める。
「私じゃ駄目かな?・・・私じゃ貴方と釣り合わない?」
女生徒の勢いに湊は完全に押されていた。
(どうやって断ろう・・・)
いつもの湊であれば簡単に告白をいなせるが今回は新歓会(新入生歓迎会)で暴れたせいで頭がうまく働いていなかった。
そうこう考えているうちに女生徒は更に距離を詰めていた。
(・・・仕方ない)
湊は決心すると女生徒の目を見て告白の返事をすることにした。
「すいません、告白は嬉しいんですが自分は貴女の名前すら知りません。・・・だから友達からじゃ駄目ですか?」
その言葉で目の前の女生徒が固まった。
「・・・それは私じゃ貴方と付き合う資格が無いから?」
「そんな事はありません!・・・ただお互い何も知らないよりも、仲良くなってからでも遅くないって言いたかったんですよ。」
湊の言葉で納得したのか、女生徒は杏から数歩後ろに下がった。
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