入学式

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「止めても無駄よ。蒼真はこうなると誰の言う事も聞かなくなるから。」 そう穂乃華が言っている間に蒼真は駆け出していた。 「は~~はっは~。流石オレの許婚、分かっているじゃないか~。」 そう言って蒼真は一足先に体育館裏から何処かへ行ってしまった。 「・・・許婚?」 去り際に残した言葉を遥が呟いた。 「お互いの親同士が勝手に決めた事よ。実際私達そんな関係じゃないし。」 素っ気なく遥の問いに穂乃華が答えると一人先に歩を進める。 「そんな事よりも早く私達のクラス確認するんじゃないの?」 遥は思い出したかのように穂乃華の後を追い掛ける。 湊も二人の後を追い掛けようとしたとき 「お前は・・・」 諒に呼び止められた。 振り返ると、何時もの爽やかな笑顔とは裏腹に真剣な表情が見て取れた。 「・・・本当にそれで良かったのか?」 「それって・・・告白の事か、告白ならこれが初めてじゃないだろ。」 諒は湊から思っていた答えが返ってこなかったからか、小さく溜め息をついた。 「悪い、何でもない。・・・忘れてくれ。」 「何でもないって、お前・・・」
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