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山内はふぅ、と息をつくと、バス停の椅子に座った。
「俺達が初めて会ったときもこんなんだったよな」
二人で重苦しい空を見上げた。
「このバス停で、雨が降っていて…
確か変なくしゃみをしていた美帆に俺がタオルを貸してやったんだよな(笑)」
美帆はあの日のことを思い出した。
初めて会ったはずなのに、すっかり山内と仲良くなっていた。
それから5ヶ月。
美帆は山内のことを好きになっていた。
小さくて、女の名前のくせにナンパなんかする男。
でも優しくて、運動神経がいいこととかわいいことから意外とモテて…。
美帆の山内への気持ちは強くなる一方だった。
「美帆」
山内がいきなり美帆の手を握りしめた。
「俺美帆と今まで過ごしてきて気付いたんだ。
俺…
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