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「ここか、1-3は。」
章大は、1-3と書かれた教室の目の前で止まって言った。
ちなみにクラス割りは下駄箱の前に貼ってあり、3人とも同じクラスだった。
「いや、そんなの見ればわかるんだから一々声に出さないでよバカ章大。」
「初めて何だから確認の意味も込めて言いたくなるときくらい有るだろチビ慎吾。」
あー、なるほどね。
確かにそれはあるかも。
それより章大…
「今失礼なこと言わなかった!」
「お前がバカっつったからだろ。」
「確かに言ったけど…それはあんまりだよ。そりゃあさ、章大と比べたらちっちゃいよ。でも僕のもある程度」
「はいストップ。」
「大き…って何?章大。」
話の途中だったのに止められた。
全く、人の話は最後まで聞きなさいってお母さんに習わなかったのかな?
「僕のってなんだ?『の』って!」
「え?だって章大がさっき『チビチン」
「アウトーっ!それ、アウトー!」
まだ3回空振りしてないのに何がアウトだって言うんだ。
打席にすら立ってないって言うのに。
「俺はチビ慎吾って言ったんだ。『し・ん・ご』って。全く自分の名前を聞き間違えるなんて、どう言うことだ…」
そう言って額を抑える章大。
失礼な。
えっと…そう、章大の滑舌が悪かっただけで、決して僕の頭が弱かった訳じゃない。
決して。(大事な事だから2回言いました。
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