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俺の名前は杉原良介。
ごく普通の学生だ。
夏休みが終わり、まだ休み気分が残る暑い最中今日も学校に行って、授業を受けて、友達と話して、いつも通りの通学路を歩いて家に帰って来た。
そんな何ら変わりのない普通の毎日の過ごしていた。
決してつまらない訳ではない、と言ったら嘘になる。
本当ははちょっとした刺激が欲しかった。
そんな俺に更なる追い討ちの矛先が向けられた。
「りょー!ちょっと来てー。」
一階の台所からだろう、母が俺を呼んだ。
「待って、今行く。」
渋々ながら読み途中の漫画をベッドに放り投げて、俺は部屋のドアを開けた。
部屋の外へ出て白熱灯が薄暗く照らす廊下を歩き、階段降りて母が居る台所へ向かった。
台所へ行くと食卓のテーブルに母が居た。その横にはいつもは美術部屋に籠りっきりの父も居た。
いつもとは違う光景と不自然な雰囲気に俺は嫌な予感がした。
そう思いながらも俺は母に聞いた。
「なに?二人そろっちゃって。」
「あのね、良に話があるの。」
半面喜びながらも半面不安げそうな表情を浮かべた母が言った。
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