第1章―引っ越し―

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田舎?俺は心の中で思っていたら、母が言った。 「ね?いいでしょ?新しい家に綺麗な空気に景色よ。最高じゃない!」 母が楽しそうなのはそういう事か、と俺は思った。 しかし俺は決して母のように喜べなかった。 只でさえ何の楽しみも無い毎日に、さらに田舎に引っ越す? やはり俺の悪い予感は当たっていた。 今までよりもつまらない生活になるに違いない、俺は思った。しかし俺はもう何かを言う気にはならなかった。 新しい環境を楽しみにして引っ越しに賛成の母に、いつも気まぐれで勝手な父だ。 もう何を言ってもしょうがないと思った、正直これ以上何か言うのも面倒でどうでもよくなった。 黙ってる俺に母が言った。 「どうなのよ?いいでしょ?」 「勝手にしてくれ、んでいつ引っ越すの?」 俺は呆れた顔で言った。どうせ拒否しても無駄だろうと思って日時を聞いた。 「明後日よ!」 母がうきうきしながら答えた。 何だよ、やっぱりもう決めてたんだ。俺に聞く必要ないじゃんと思いながらも言わなかった。 「そう、わかった。」 と心で思ってる事は言わずに俺は答えた。 すると父が言った。 「まぁ、良介。住めば都って奴だ、きっと気に入ると思うぞ?」
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