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「よし、ちょっと手間取ったけど問題なしね」
「ちょ、ちょっと先輩!?」
目の前で先輩が行った事を全く理解出来ずに僕はフラフラと先輩の横に歩み出た。
それを先輩も分かってしまいかけていた巻物を僕の前に出した。
「これは式封陣(シキフウジン)私達、陰陽師が妖怪を式神として使役する為に必要な物
簡単に言うとデータデバイスみたいな物よ」
最後のデータデバイスだけは凄く聞き慣れた言葉だったけれど、後は殆ど理解出来なかった。
そんな事よりも重要な事をこの人はサラッと言った。
「先輩、陰陽師って……あの陰陽師ですか!?」
「そうよ、平安の世の中で大活躍した阿部晴明で有名な、あの陰陽師
あれ、言ってなかったけ?」
「そんなの初耳もいい所ですよっ!?
普段から重要な事はサラッと、しかも後の方に言って」
あまりの驚きと戦闘から来ていた緊張から解放された反動で先輩を一気にまくし立てる僕。
それに先輩はそそくさと荷物をまとめた。
「とりあえず今は私よりもキツネちゃんを構いなさい、黒いの行くよっ」
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