137人が本棚に入れています
本棚に追加
「何をすればキツネさんが喜ぶかって考えてたから……」
デートと行っても街の外れに最近出来た大型ショッピングモール
そこに買い物に来ているだけだった。
でも、買い物に誘った時のキツネさんの嬉しそうな顔を見たら頑張らないといけないと思った。
それを聞いてキョトンとしていたキツネさんだったけど、すぐに嬉しそうに微笑んだ。
「そんなの気にしなくていいのに……馬鹿」
最後に『馬鹿』と言われたけれどキツネさんは笑顔で僕を見ていた。
「連れて来てくれただけで私は嬉しかったよ
だから、一士も無理しないで楽しもっ」
そう言ってキツネさんはニパッと笑ってみせた
そんなキツネさんの表情で静まりかけていた僕の心拍数がまた上昇した。
身体の中で刻まれるビート、それが激しくなるに連れて喉の乾きを覚え、僕は残っていた紅茶を一気に流し込んだ。
「よっし!!
じゃあ、今から僕もキツネさんと楽しむ事にする」
「うん、じゃあ一士の行きたい所、連れていって」
白いワンピースと檸檬色の髪を舞わせながら僕とキツネさんは喫茶店を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!