キツネの嫁入り！

はつデートっ！！

「ふぅ……買った買ったっ」

少なくなっていた原稿用紙と買いたかった新刊、あと衝動買いしたマンガが数冊詰まった紙袋を提げながら僕はほくほく顔で店を出た。

「いっぱい買ったね～結構高かった？」

「いや、大半は部活で使う原稿用紙だし、新刊もマンガと小説だけだから」

キツネさんに言われ改めて手にした紙袋を見るとちょっと買い過ぎた、と思った。

「何か、キツネさんに悪い事しちゃったね」

僕の言葉にキツネさんは『ふぇ？』と首を傾げた。

「キツネさんの事、ほったらかして買い物してたから」

少し申し訳なさそうに言ってみるとキツネさんはうんうんと首を左右に振った。

「私は私で料理の本とか見てたから
それに一士も買い物しないといけなかったでしょ？」

「まぁ……そろそろ在庫が無くなるから」

原稿用紙なんかはいつでも買えたけどキツネさんが『買って正解だよ』と笑顔で言ってくれた。