芽吹きの唄

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私は手術室の扉の横手にある長椅子に腰掛けた。 力が抜ける。 目を閉じて、息を吸い吐いた。 妻の名を一度だけ呼ぶ。 まぶたの裏に妻の笑顔が浮かぶ。 少しだけ安らぐ。 そして、ハッとする。 妻が白い猫を抱いているのだ。
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