芽吹きの唄

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「その猫はなんだい?」 私は妻に聞いた。 妻は微笑んで、猫を私に渡した。 「ごめんね。すぐ帰るから白猫さんから事情を聞いてね」 妻は言うなり消えた。 私はベンチから前のめりに立ち上がろうとして転んだ。 右手を伸ばして。 「落ち着きなさいな」 目の前に白猫がいた。
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