アフター・クエイク

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“そのとき”まで気付かなかった 只の友達だと思ってた 最期の最後でようやく 唯(一)の友達だと気付いた 運命とは如何に残酷だろうか 普段は見せもしない希望や幸せを これでもかというくらい 失った後に見せ付ける 人間とは 向上のみ幸福と考え 墜落では不幸と考え 維持さえ不満に感じてしまう 非常に非情に非譲に非冗に非定に非静に非盛に残念だ もしも願いがかなうなら もう一度機会が欲しい 自分の気持ちを話すなんて 都合のいいことは言わない ただ あの頃のように 笑い合えれば それだけを願う 家ごと居なくなったりすることもあれば 畳一畳で延びる人もいる 君が後者であることは 既に何千回も願った 傍に居て欲しいと願うのは 君が傍にいないから 君に逢いたいと願うのは 君に会えないから 僕らは 喧嘩も助力もしたし 笑顔も涙もした ありふれたものでしかなかった 非常に非情に非譲に非冗に非定に非静に非盛に後悔する もう一度会えたのならば 君に笑いかけられるのか ごまかしてごまかしてきた 自分を果たしてさらせるのか ただ 好きだったなんて 言えるわけないのに 募る思いは何処へ… 葬式をするのは当たり前ではないと こうして初めて知る こんなにこんなに大事でも 君はたくさんの中の1 端数で切り捨てられてもおかしくない 只の数 唯君を願う心とは裏腹に もしも願いがかなうなら もう一度機会が欲しい 自分の気持ちを話すなんて 都合のいいことは言わない ただ あの頃のように 笑い合えれば それだけを願う これから君抜きでなんて どうすればいいのか 寂しくって 淋しくって どうしようもない 今 あの頃の自分が うらやましい 帰って来て欲しいよ to 被災者 by 時折 時織 最小限の不幸と最大限の幸福を祈って
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