神様と主様

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薄暗い一室に男女が居た。余りにも美しい女は暗闇の中でも凛とした存在感を持っている。 余りにも綺麗な男は闇を拠り所にしているかの様な陰った表情をしている。 女…恋双は大きく肩を出した着物を身に付けており可愛さの中にも妖艶さを含んだ視線を無意識に男に向ける。 男…稔麿は黙って恋双を睨み付け苛立ちを隠せず血に飢えた鬼の様な面をしている。 沈黙が過ぎさらに沈黙が訪れる。 あの後、 稔麿が長期に渡って借りている宿屋に入り自分は彼の女と言うと上げてもらうことに成功した。 久しぶりに会って酒を飲んでいたら酔いつぶれてしまったと説明すれば直ぐに信じてくれたのだ。 稔麿が目を覚まし、 今の様な状態になった訳だが… そんなに睨まなくてもいいのにと恋双は溜め息をつく。 沈黙に沈黙を重ね、 痺れをきらした恋双は口を開いた。 「殴った事は謝ります。だからそんな目でみないでください。」 声をかけたのに稔麿は無言のままだ。 稔麿自身は別に無視しようと思っている訳ではなく、どう接していいか分からず… 結果睨み付け無言という形になってしまった。
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