欲心と嫉妬心

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あれから… 三階へは行っていない。 涙が出たのは悲しいからじゃない。 驚きと嬉しさと… 大きな不安。 いろんな想いが入り混ざって涙となって現れたのだろう。 先生の気持ちが知りたい… でも聞くのが怖い。 卒業式の日、 自分の想いを伝えて先生の気持ちを確かめるつもりだった。 好きだって伝えたことはあるが、先生は何も言ってくれなかった。 その返事を、気持ちを聞きたい…そう思っていた。 そして私は見たんだ… 先生が死ぬのを。 血の気がうせ、打撃を受けた精神は抜け殻の様に思考力を失う。 頭に浮かんだ映像が、深く胸に突き刺さる。
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