月の声

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上にまたがり素早く服を脱ぐと、胸元を隠した両手を掴んで布団に押しつけた。 前屈みになり枕元に肘をついて頭を抱え込むと、重ねた唇の隙間を探す。 「名前呼んで…俺の」 「えっ…り…くん」 「聞こえない」 「りょっ……んっ…」 名前を呼ぼうと開いた口に、唇を押しあてて舌を差し込むと、背中に強くしがみついてくる。 左手で頭を抱えたまま、もう片方の手を胸元に伸ばすと、刺激を送りながら反応を見た。 すすり泣きに変わっていく声に欲情してしまう。 たまに訪れる抵抗を、口と手で自由を奪いながら愛し続けた。 「せ…んせい… 冬が終わって、温かくなったら…またここに連れて来てね…お願い」 「じゃあ、それも約束な」 どうしようもないくらいに愛しく感じ、壊れてしまいそうな程に強く抱きしめた。 可愛い声を漏らしながら、されるがままに目を閉じてる表情を観察した。 限りなく深い愛を注がれているのは自分の方だと気付いた。
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