行路

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唇が合わさると舌で下唇をなぞられ、先生は無言で口を開けるように催促してくる。 小さな抵抗のつもりで口をきつく閉じると、先生は息を切らしながらも名前を呼べと呟いた。 意味がわからないまま言われた通りにすると、何の駆け引きもなく舌を差し込まれた。 あっ…唇が震える… 有無を言わせない激しいキス。 先生の欲望が伝わってくる… 温かい手に胸を包み込まれ、唇は少しずつ下へ滑るように向かっていく。 片膝の裏側を掴んで軽く持ち上げられると、太ももの内側に先生の息がかかる。 先生と視線が絡み合いながらも、遠慮のない独占的な行為に体が震えそうになった。 恥かしくなって体を隠そうと思い、足元にある布団を片足で少しずつ引き寄せた。 「せんせっ…い、 …布団…とって?」 「……これ?」 「…うん」 先生が布団を掴み上げ、受け取ろうと手を伸ばした瞬間、部屋の隅に投げ付けられた。
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