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貫かれるような感覚に圧倒されながらも、深いところで先生を感じていた。
観察するような視線を下から受け止めていると、先生の断続的な動きに思わず声が漏れる。
「あっっ…んっ…」
「はぁっ…こっち向けよ」
息を切らしながら見下ろしてくる。
両手を伸ばして頬に触れると、自分の中で先生が動くのを感じた。
「先生…も、気持ちいい?」
「あぁ……
もう…このまま一緒にいたいよ、お前と…」
普通の恋人なら、この場の雰囲気に合うすごく愛に満ちた言葉なんだろう…
だけど自分には、今を限定された切なさの裏返しに聞こえた。
「今がずっと続けばいいな…」
「春にまた一緒に来るんだろ、高瀬に言っておくから。キャンセル料高いよ?」
心の中を読み取られたのか先生の言葉が胸に響き、肩にしがみつくと声を震わせて泣いた。
絶え間なく送られてくる刺激に、先生の髪に指を絡めて引き寄せた。
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