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「先生…お父さんに本当に話すの? いつ?」
「うん、早めに話そうと思ってる」
天井に目を向けながら先生は答える。
先生が教師だから?
今まで何の干渉もされなかったのに…
「怖く…ないの?」
「…なにが? 殴られるとか?」
先生は声に出して笑うと、寝返りを打って顔を覗き込むように髪を撫でてくる。
「殴られて済むなら話早いじゃん。お前といられなくなるのが怖いよ、俺は」
「お父さんなんか…どこか行っちゃえばいいのに」
自分の愚かさに思わずため息が出る。
思いやりの欠片もないよね…
そして先生に気を遣わせる…いつも。
「あいつが出て行ったのは俺のせいなんだよ。高瀬に聞いただろ?」
「え…少しだけ」
「俺ずっと一人暮らしだったし、家のことなんか全く興味なかったんだよ。昔はあいつ見て教師になりたいとか思ってたんだけど」
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