行路

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「莉子! 遅刻するよっ」 「はーい…もう、わかってるよ」 眠すぎる…寝不足だ。 一昨日も先生とずっと起きてたし… しつこい母の声を鬱陶しく思いながらも、ベッドから起き上がり用意をして玄関を出る。 歩きながら、昨日頑張って勉強したことを伝える為に先生にメールを送った。 【もう少しで学校だよ。昨日は勉強したんだよ、エラいでしょ? 褒めてね】 Re: 遅刻だろ、急げよ。 今日のテストで、 80点以上とれ。 わかった? そんなの急に無理に決まってるじゃん。 70点以上とったことないのに。 返信せずに携帯を鞄へ入れ、教室の扉を開けるとすでに先生が教壇の所に立っていた。 先生に睨まれながらも、静かに席につく。 「今日は、後半に小テストするから」 予告のない突然のテスト報告に落胆の声が響く中、自分だけ知っていたことに嬉しさが込み上げる。
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