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さて、どう利用してやろうか。
このまま純粋ぶって逃げるってのもアリだな。
男が俺の手首を掴んだ。
「痛い!は、離して…」
いや全く痛くないが気持ち悪い。
この野郎の手形が俺の腕に残ると思うと胸くそ悪いわ。
手加減することを心がけて、ぐいぐい相手を押し退ける。
「ひひ、全然抵抗できてないよー。」
「可愛いなぁ。」
いちごパフェが途中だが、まぁいいだろう。
このままてめぇらをぶっ飛ばしてや…
「おい、やめろよ。」
げっ。
ツ、ツナギ男!?
俺がトイレの前でノロノロした時に現れた男だった。
このモヤシッ子、なんでこんなヒーローみたいなこと…!
これは俺のカンだが、こいつ絶対弱い。
しかし、あの扉の前でヘラヘラと笑っていた時とは大違いだ。
相変わらず垂れ目だが、今は相手をキッと睨み付けている。
こいつ…度胸だけはたいしたもんだ。
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