制服は上目遣いでshow

4/10
前へ
/42ページ
次へ
髪を銀に近い色に染め、赤いメッシュを入れ、ワイシャツは第三まで開け、中にゴツいシルバーアクセサリーを身につける。 たまにサングラスなんかもするな。 そんな、どこから見ても厳つい俺にはあるひとつの趣味がある。 決して人には言えない。 小さい頃から芽生えた俺のこの趣味。 絶対!絶対に誰にもバレるわけにはいかねえ! 喧嘩じゃ弱点の無い俺でも、この趣味がバレればかなり危ういことになるだろう。 チーム解散どころか、俺の人生が終わる。 「純さん!煙草っす!」 「お、おお。悪いな。」 考え事をしていた俺に煙草を出されたので、ライターに顔を近づけて火をつけた。 「くぅーっ!煙草吸う姿もシビれるっす!ワイルドっす!」 「馬鹿かおめーは。たかが煙草吸うだけだろうが。…ちょっくら寄るところがあるからよ、お前ら先に行け。」 俺がヒラヒラと手を振ると、弟分たちは素直に頷いた。 「分かりました!今日は、本当にありがとうございました!」 「ゆっくり休んでください!」 適当に相づちをうって、俺は近くの公衆トイレへ駆け込んだ。 「うぶぇーー!!!!ゲホゲホ、ブホォーーッ!!」 口に加えていた煙草をゴミ箱に捨てた。 「ゲホホ、は、肺に入った。くわえ煙草も気をつけないとな…」 煙草が吸えないわけじゃない。 吸わないことを決めたんだ。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

478人が本棚に入れています
本棚に追加