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よし、いよいよ俺の時間が近づいてきたな。
鏡に映る俺をふと見ると、目付きの悪い自分がいた。
ちょっと笑ってみると、我ながら恐ろしい。今すぐにでも殴りかかっていきそうなどす黒い笑みだ。
「ふはは。自分でも恐ろしいわ。」
軽く笑って鞄の中を漁ると、ポロ、とあるモノが落ちる。
それはコロコロと転がり、トイレの個室の隙間に入ってしまった。
「ゲ。」
扉閉じてるし。誰かが入った個室に転がるとは。
よ、よりによってアレを…!やばい!
「誰かいるか?」
コンコン、とノックする。
返事はない。
「誰かいますか。」
丁寧語に変えてみても返事はない。
誰もいねぇのか…?
俺が無理矢理扉をこじ開けようとしたら、ボソリと声がした。
「ふわぁあ~…どなたでーすかぁ?」
おい何だ欠伸って。
トイレで寝てたってのか!?
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