♯1 「五里霧中」

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♯1 「五里霧中」

俺の名前は新島雅治。 得意な事と言えば、跳び箱程度。 勉強は大の苦手な大学生――― そんな俺は今学校をサボって、とある公園に来ていた。 近くのベンチに腰をかけ、タバコをプカプカと吸いながらベンチに仰向けに寝て居ると… 「そこで何をしている。」 大学の教頭先生だった。 「これで何回目だ…」 教頭は呆れ顔で言った。 そう。見つかったのはこれが初めてでは無い。 教頭は俺の後ろ襟を掴み、ズルズルと地面を引きずって行った。 行き先はやはり教頭室だった。 中に入り、説教が始まった。 「お前は何回同じ事を言われたら気が済むんだ!」 後は適当に聞き流し、教頭室を後にした。 俺は午後の授業に参加し、学校を出た。 その帰り道… 高校の同級生だった空君孝人に出会った。 最初に気づいたのは俺の方だった。 「よぉ!孝人じゃねぇか!」 「やぁ!新島くん!久しぶり! 「そう言えば、最近学校に来てないみたいだけど…」 俺は不思議に思った。 「どうしてお前がそんなこと知ってるんだ?」 「何言ってるの。同じクラスじゃん。」 孝人は何の迷いも無く返答した。 「え?あ…あぁ!そうだよな! アハハ…」
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