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あれから、約束通り私とお父さんはご飯を食べに行くため町にでた。
この町は活気があって私は好き。
みんな笑顔で生き生きとしている。
普段はこんなお父さんだが領主として手は抜いていないみたい。
そんなお父さんだからみんなに好かれている。
まあ、それ自体は非常に喜ばしいことなのだが町を歩くといつも囲まれて困る。
今日もほら。
「やあ、如月さんじゃないか。」
「今日はどこにいくんだい?」
「まあ、灯ちゃん大きくなったわね。」
平民だったころからこの町でよく知られてたからか、領主になっても敬語は使われていないらしい。
お父さんは喜んでるから多分この町ではそれが正しいあり方なんだと思う。
それに、私もみんなにかわいがってもらってるし、敬語は苦手だからこっちのほうがいい。
「今日は灯と一緒に飯食いに行くつもりなんだよ。」
「そうかい、じゃあいつものトコだね?」
「そうそう、俺はあそこの飯が好きなんだよ。」
お父さんはなにやら話し込んでしまっている。
たまの休みだからね、せっかくだから楽しんでもらいたい。
「ねえ、灯ちゃん、いくつになったの?」
笑顔でお姉さんたちが聞いてくる。
うん、分かります、私も子供に会ったら知ってっても聞きますから・・・
「え、えーとね、五歳です。」
うん、実に子供らしい答え方だったと思う、年上に対する礼儀を忘れずにかつ子供らしさを演出する。
「キャ、灯ちゃんかわいい!」
奥様方のハートをバッチリキャッチです。
「さて、それじゃあ、俺たちはそろそろ行くから、元気でな。」
お父さんの話が終わったらしい。
私も行かなきゃ。
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