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「くっ、俺としたことが」
(気配は感じてたが山南さんと山崎がこんなにも近くにいるのをなんで気づかなかったんだ?やっぱり疲れか苛立ちからか?)
藤堂は物事には視野を広く、頭を冷やして動かないとと胆に命じた。
「珍しいですね平助。あなたがこんなところで寝ながら影口をたたくなんて、さらにそれが沖田君と遥香ちゃんに対してなんて」
「せやで平助。平助らしくないで、あの遥香ちゃんの悪口叩いたのは平助が初めてやないか?」
「うっせーな山崎……」
「冗談や、冗談。まぁなんか理由があるんやろ?その影口と悪口を言ったことに対しては」
藤堂は口を尖らすが、山南と山崎の優しさが嬉しかった。信頼して苛立ちを話しせる二人がいて。
藤堂は山南と山崎に先程起きた事情を話した。
沖田に脅迫みたいな要望を受けて、明日は遥香の代わりに女中の仕事をこなさないといけないこと。さらにそれが原因でいつもみたく沖田に対して苛立ちと嫌悪感を感じたから影口と悪口を言ったことを。
話のような愚痴のようなのを話終えて藤堂は心が晴れやかな気分になったのを感じたが、山崎はプルプルと震わせながら、
「くっくっくっ、あははっ!!へっ平助が明日遥香ちゃんの代わりに1日女中の仕事を沖田さんに押しつけられたとか。女中似合いすぎやで平助…ふっあははっ!!」
「かなり爆笑されると腹立つな山崎!!」
藤堂の愚痴のような話を聞いた山崎は笑いを止められなかった。
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