序章

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新薬の実験体となるバイト。治験。一昔前前ならば死体洗いのアルバイトと並ぶ裏バイトとして名を馳せていたが、実態は製薬ボランティアと呼ばれ、入院し、新薬を飲み、少々の身体検査がある以外は、一日中、寝転びながら漫画を読んだり、ゲームをしたりして過ごしているだけでお金、それも結構な額を貰えるという、怠け者には非常に垂涎のアルバイトである。投与される新薬も鼠やら猿やら犬で散々実験し、安全であると証明された薬のみなので、恐れられている副作用も殆どない。 しかし、その中にもやはりお金が貰えるだけあって、参加者の誰もが恐れおののく瞬間がある。 それは、そう、治験での最大の拷問。 採血。 そして遂に悪夢の時間がやって来た。
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