真紅の双星

2/18
前へ
/53ページ
次へ
―――俺にはきっと、いつか自分が望んでいる事を成し遂げられると信じていた。 そう思ってずっと生きて来ていた。 だが、この世に生を受け20年が過ぎてから俺はただ自分の無力さに苦痛を味わっていた。 『目標を見つけられたらきっとソレを成し遂げられるさ』 そんな楽観視が祟って何をしても中途半端。 挙げ句、とある事情により幻想郷へと幻想入りした俺は幻想入りして少し経ったある日に右目を悪魔の攻撃により持って行かれた。 そして、異変を解決する為に対峙したかつてない強敵を前にした時に俺は仲間を護る為に利き腕である右腕を肘から先をゴッソリとソイツに喰わせた。 喰われる前に握っていたピンを抜いた手榴弾が俺の右腕を咀嚼していたソイツの口内からドタマをミンチに変えたのを今でもありありと覚えている。 そして俺達、いや、スカイパーズは幻想郷の住民の力を借りつつ、かつてない程大規模な異変を終結へと導いた。 そんなスカイパーズの中でも、平凡で何処にでもいそうな人間の1人である俺の紹介をしよう。 俺の名前はソイル・オーランド。本名は件の異変が起きた時に捨てた。 年齢は20で一時期、とある場所に軍属していた。 右目と右腕は悪魔の肉体を移植。 本名を捨て去った時より、俺は愛すべき仲間や幻想郷の人達の為に自分の心を殺して戦い続けている。 ……それが…例え、間違っているとしても俺はこの生き方を変えるつもりは…無い… 出生は北海道の片田舎。父と母、妹の4人家族。 異変が起きた時に俺以外の家族は死亡。 俺のみが生き残ってしまった。 その思いが今も俺の心を苛む。 .
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加