35人が本棚に入れています
本棚に追加
壊れた右腕を見つめながら思った。
「事実は小説より奇なり」ってのはホントだと・・・
今日、俺は銃の乱射事件に巻き込まれて右腕の自由を失った。
命を奪われた者もいたらしい。
何の理由もなく。
小説だって人が人を殺すのには理由がある。
でなければ、話が成り立たないから。
でも、現実では人は理由なく人を殺すことがある。
無差別テロってやつ。
むしゃくしゃして。
誰でもよかった。
ふざけるな。本当にふざけるな!
俺にだって夢はあった。それを無残に打ち砕かれた。
今までは、ニュースで見た無差別テロは他人ごとだった。
被害者をかわいそうとは思ったものの、どこか現実的ではない感覚。
けれども、今ならよくわかる。その場に立った者にしか解らない気持ちが・・・
最初のコメントを投稿しよう!