永遠の始まり

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病室の扉をノックする音で思考が止まる。 少し間が空いて細身の洒落たスーツを着た三十前後と思われる男が入ってきた。 「長野県警の竹下というものです。小林紘斗さんですね。」 「本日のことでお話を伺わせていただきたいんですが、よろしいでしょうか?」 やけに丁寧だな・・・ 警察官ってのはもっと横暴なのかと思っていた。 「なにを話せばいいんですか?」 「今日あったことをすべて、思い出せる範囲で、できるだけ詳しくお願いします。」 先ほどまでのやさしそうな顔から一変して、真剣な表情を見せた。 「わかりました。」 目を閉じて今日のことを思い出す・・・ 今日は高校の文化祭の日。 俺たちは高校を卒業して以来、初めて3人で会った。 集合場所はなつかしい校門の前、俺が学校に着いた時にはミコトが先に着いていた。
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