永遠の始まり

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それにしても暑い。今年の夏は異常だった。猛暑で何百人も死んだらしい。 家の中にいても死ぬくらいだから、相当だ。 文字通り死ぬほど暑かった。 そして、それは夏を過ぎた今もまだ暴れ足りないと言わんとしてるかのように気温を上げている。 俺は額の汗を拭い、天を仰ぐ。 空一面に灰色の雲がたれこめて太陽は隠れているというのに、熱はどこからやってくるのだろう?と俺は思った。 Tシャツの首の部分を引っ張り上げて首の汗をふく。 「あ、貴子だ。・・・走ってんじゃん。」 そう呟くミコトの声が聞こえる。
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