出逢い

11/21
前へ
/29ページ
次へ
一応、ペコリと頭を下げておく。 でもそれよりも、少女の頭は男が呼んだ名でいっぱいだった。 …土方?それに総司? このふざけた奴が新撰組最強のあの沖田総司?それにこっちの煙管野郎が鬼の副長? 「総司、誰だよこいつ」 土方が尋ねた。 「えーっと…あ、名前聞いてなかっ―…」 「ないよ」 言い終わる前に、そう答えていた。 「名前なんて、ない。…だからさ、適当に呼んでよ!」 無理に笑顔を作ってそう言う。 そうしないと、いやな記憶が蘇ってきそうだった。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加