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一応、ペコリと頭を下げておく。
でもそれよりも、少女の頭は男が呼んだ名でいっぱいだった。
…土方?それに総司?
このふざけた奴が新撰組最強のあの沖田総司?それにこっちの煙管野郎が鬼の副長?
「総司、誰だよこいつ」
土方が尋ねた。
「えーっと…あ、名前聞いてなかっ―…」
「ないよ」
言い終わる前に、そう答えていた。
「名前なんて、ない。…だからさ、適当に呼んでよ!」
無理に笑顔を作ってそう言う。
そうしないと、いやな記憶が蘇ってきそうだった。
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