純情ラプソディー

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もし私が死んだらこの体は土に還って心は花になるのだろうか。地球の一部として永遠に生き続けるのだろうか。 薄汚れた私の心からの花はきっと鮮やかな色合いではなく、くすんだ色合いなのだろう。 恋人たちが抱き合って愛し合った時の吐息も汗も涙もすべて空気に溶けて雲になり生き物にとっての恵みの雨の一部になるなんてなんと滑稽なのだろう。 そもそも人間なんてほとんど水分。水風船と私の違いって一体何なのだろうか。 そう言えば人間の心拍数ってだいたい決まってるって誰かが言ってたっけか。 ということは私の命もカウントダウンをしているということ。誰かの命も背負ってカウントダウンしているということ。 私は新しい命を生み出せる力があるということ。 「……何、難しい顔してんだ?」 あなたと目が合うだけで、私の心臓は早急ぎしてしまう。 きっと、私は滑稽。だってカウントダウンを自ら縮めてしまう。それでもいいだなんて、なんて愚か。 あなたの心臓も同じですか? 嗚呼、なんて、 。
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