醒めない夢

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「――これで最後、かな」 「お疲れ~専務代理サン」 「お疲れ様です」 「お疲れ様、かっつぁん、瑠璃さん。 今日はお二人ともこれで外回りは終わりなので、事務所に戻って頂いて結構ですよ」 顔を知られるのを防ぐ為に被っていた狐面を外す。 「専務代理サンは?」 「俺はまだ仕事があるので」 今日の外回りメンバーだった二人を先に帰し、俺はその辺のデスクチェアに座る。 何も知らない第三者が見たら何が起こったのかと疑うだろう、何らかの“惨劇”の痕。 実際は、俺を含めた三人で暴れただけだが――これは、兄貴を敵に回そうとした馬鹿な奴等への制裁。 兄貴の邪魔をすれば、どうなるか――それを知らしめる為の見せしめ。 .
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