君に贈る世界

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カラーコンタクトでもしているのか、 久しぶりに見た“爪牙”の瞳はくすんだ琥珀色に見えた。 「……。 アンタが誰だか知らないし、知ろうとも思っちゃいない。 だが――“醒めない夢”を口にしたのは偶然か? それとも……誰かの差し金か?だとすれば……それなりの対処をしなければならないな」 そんな色は気に食わない。君に似合わない。 でも、君の眼が僕だけを見つめてるのがこの上なく嬉しくもあった。 ――喩え、その目に警戒しかなくても。 「差し金? どうして僕が、君の嫌う人間の言いなりにならなきゃいけないの?」 .
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