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彼女の眉間に皺が寄る。
あの頃には決して見ることのなかった表情で、硬直した。
真夜が僕を見てくれてる至福に浸りながら、僕は続ける。
「大切な君のことだもの、知ってるのは当然だろう?」
兄以外を信じていないことも
何より兄の為にと頑張ってることも
“煌”と名乗って本名や性別を偽ってることも
「僕は、ちゃんと知ってるよ」
「……ストーカーか?」
「まさか。
そんな低俗なモノになり下がった覚えは無いよ」
君のことをとても大事にしてるのは確かだけどね。
口から出かけた言葉を飲み込み、微笑む。
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