もう一つの夢幻

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それは、突然のことだった。 「ぅ……嘘だ、ろ……? 兄貴……冗談なんだろ……? アイツはちょっと疲れてるだけだろ……!?」 「……」 兄貴は、悲愴を漂わせて ただただ力なく首を振った。 「う……嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ……ッ!! だって、アイツ、が言ったんだ……!」 『僕は大丈夫だ』って言ったんだ。『だから心配無い』って、笑って、言ったんだ――!! 「真夜(シンヤ)……」 「嫌だ! 俺は信じないからな……!」 そうだ、信じて堪るか。 どんな時でも、俺だけはアイツを信じるんだ! 「真夜!」 「……ッ」 .
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