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ぐるぐる、
グルグル、
穏やかな笑みを浮かべるこの少年(?)の言葉はみんな、俺を惑わせる。
「難しく考えることはないよ。
君が望むか、望まざるか……僕が知りたいのはそれだけ」
どうやら、迷いが表情に出たようだ――面を外したのは失敗だったと、若干後悔する。
そんな時、聞こえた声。
耳を澄ませば、よく知る足音が近付いているのがわかる。
「タイミングが良いのか悪いのか。
……相変わらず、僕を苛々させることにかけては右に出る者は居ない天才だよ、彼」
にっこり笑って、爽やかな表情で吐かれた毒。
それに混じる黒い感情に、俺はその喉元に杖を軽くあてた。
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