もう一つの夢幻

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認めたくなんかない、けど――認めるしかなくて。 「なぁ、そっちは楽しいか? 辛い想いはしてないか? ――これから言うのは、賭けだけど」 認めるしかなくなった今、可能性に賭けるのも悪くは無いと思った。 きっとアイツに逢うことはないだろうが―― 輪廻が本当ならば、少しでも早く、廻り逢えるようにすることくらいは出来るかも知れない。 「お前はきっと怒るけど……」 お前に逢えるなら、俺は。 「――そうと決まれば……善は急げ、だよな」 小さく小さく、俺はアイツに助力を請う。 「ちょっとだけ、手伝ってくれよな」 瞼が重くなる。 .
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