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彼女と創った夢の為に、僕は輪廻から外れた。
――断片と言っても過言ではない真夜にも言わなかったのは、より確実なモノとする為。
「もう少ししたら、完成するから――待ってて、ね?
――そしたら、醒めない夢が始まるよ」
人間を憎む真夜――彼女が描いた、醒めない夢。
彼女は(僕と兄以外の)人間が嫌い――自分も嫌いだそうだ。
――そんな彼女が描いた夢を実現させる――
その為に、僕は輪廻に還ることなく外れたのだ。
兄に背負われ眠る彼女の頬を撫でる。
すると、真夜はくすぐったそうに頬を兄の背中にすり寄せるのだ。
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