宿

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大人しく担がれていると宿に着いた。 「三蔵」 「…。」 悟空は呼んだが三蔵は受け答えする気はないらしく、黙ったままだった。 「三蔵!」 今度は先ほどよりも少し大きめな声で呼んだ。 「…なんだ」 やっと三蔵は返事を返してくれた。 「降ろし「却下。」」 悟空が言い終わる前に三蔵は却下した。 「…まだ言い終わってないじゃんか」 「てめー逃げるだろーが」 「も、もう逃げないって!」 早く降ろしてほしくて悟空は必死になった。 宿に着いてからは、三蔵は悟空をお姫様抱っこしていたのだ。 「…じゃあこう言え。 」 後半は悟空にだけ聞こえるように耳元で言い、最後に悟空の耳を甘噛みし、舐めた。 「ひゃあんッ!!」 悟空は一瞬肩を震わせた。 「なんだ…感じたのか?」 三蔵はどことなく嬉しそうだった。 「ち、違っ////」 悟空はボッと赤くなった。 「言え。」 「お、お願い降ろして?今日は俺の事グチャグチャにしていいからぁ///」 悟空は耳まで赤くして言った。 …だが下を向いているのがいけなかった。 「コッチ向いてないから駄目だ。…だがそんなにシてほしいならシてやるよ」 そう言い、三蔵は悟空を抱っこしたまま、部屋に向かった。
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