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グシャ。
そんな音が聞こえたような気がした。
気がしただけだ、もう耳も聞こえなくなった。
車にはねられて落下した俺の視界に、ちょうど多佳子の姿がいた。
転んでいるようだが、怪我は無さそうだ。
ただしこっちは怪我どころじゃ無さそうだが。
顔が全く動かないが、目は見える。
だから、地面に接している右側から血の池がジワーと拡がっているのが嫌がおうでも見える。
まぁ、遥香の無事が確認できたから大丈夫か。
プラマイゼロどころかプラスもプラスだ。
あっ、起き上がった。
辺りをキョロキョロ見回す。
そして見つけてしまった、俺を。
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