―3限目―

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長い一日が終わった。 他の普通の生徒はまだあと二時間残ってるんだけど。 あたしは真面目に授業受ける奴じゃないから、とりあえず出席だけする。 帰ろうとして靴を履いてた時。 後ろから大嫌いな声。 前田の声じゃなく、もう一人の大嫌いな教師。 「奈美~この後仕事~?」 担任、そして国語科の田口葵。 「…仕事ですけど…何か?」 そっけなく答える。 顔はイイけど…なんか苦手だ。 だらしないし、性格がどんなんだか知らない…知りたくもない。 ちなみに私の仕事はというと… 「毎日毎日オッサンの相手なんかしてて嫌じゃないのぉ??」 コイツのアホ発言で御理解いただけただろうか。 そう、キャバ嬢…いわゆる水商売である。 「なぁーんであんな仕事すんだよ?」 「さっきから質問攻めしないで下さい気持ち悪い」 「チョット…今気持ち悪いっつった!?つわりか??」 もうホントコイツと話してると疲れる… コイツの頭の中にはそれしかないのか…?ないんだな…。 「遅刻するんでサヨナラ」 「あとで会いに行くからね~!」 語尾にハートマークでもつきそうなテンションに、何度うんざりしただろうか。 てか、来なくていいっつの。 ウザい。
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